1. 立地は戦略の1つ。エリア選びのポイント

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立地は戦略の1つ。エリア選びのポイント

事務所の立地は、企業戦略の1つです。
通りの右と左、どちらに事務所を構えるかで、企業の未来が大きく変わることもあります。そのため、賃貸事務所を選ぶときはエリアをよく吟味することが大切です。
以下の立地戦略のポイントを押さえて、事務所の開設・移転をチャンスにつなげましょう。

 

【アクセス】
事務所へのアクセスが良いと、それだけ人が集まりやすくなります。弁護士事務所や会計事務所のように、クライアントに足を運んでもらうことから仕事が始まる業種の場合、アクセスの利便性は特に重要です。駅から何十分も歩かなければならなかったり、道がややこしくてわかりづらかったりすると、それだけで不利になってしまいます。そのため、来客にとってアクセスの良い賃貸事務所を選ぶことが、立地戦略のポイントです。
また、アクセスの良さは従業員の働きやすさにも影響します。自家用車、自転車、バス、電車など、従業員がそれぞれの希望に合った方法で通勤できるエリアが理想的です。また、「バスの本数が少なすぎる」「帰りが終電に間に合わない」といったことのないように、電車やバスの本数、就業時間と終バス・終電の時刻なども考慮しましょう。
同様に、アクセスの良さは従業員採用にも影響します。求職者にとって、通勤のしやすさは就職先を選ぶ基準の1つとなります。そのため、事務所への通勤が不便だと、それだけ良い人材を逃しやすくなるのです。反対に、最寄り駅が多いエリアや多くの路線が集まるターミナル駅の近くに事務所を設ければ、広範囲の求職者をターゲットにすることができます。
顧客と人材は、企業の宝。来客にとっても従業員にとってもアクセスしやすい賃貸事務所を選ぶことが、企業の成長と発展につながります。

 

【周辺環境】
賃貸事務所物件を探すときは、賃貸事務所そのものだけでなく、周辺環境にも注意を向けることが大切です。ネットに掲載されている賃貸事務所物件情報には、周辺環境に関する情報までは掲載されていない場合もあります。そのため、不動産会社に問い合わせるか、候補地の周辺を実際に歩いてみるとよいでしょう。
賃貸事務所の周辺環境についてチェックするべきポイントは、治安です。ひったくりや空き巣などの犯罪が多い、変質者が出没する、暴走族のたまり場になっているといった地域では、安心して事業を営むのは難しいといえます。また、取引先や顧客にとっての心象もよくありません。塾や習い事など、子どもが通う教室を営む場合は、治安の問題が特に重要です。子どもが安心して通うことができる環境の賃貸事務所を選ばなければ、多くの生徒は集まらないでしょう。
また、治安の良いエリアの賃貸事務所を選ぶことは、従業員の安全にもつながります。終業時間や仕事の進み具合によっては、退社時刻が夜になることもあるでしょう。駅までの夜道の人通り、街頭の有無などを確認して、従業員が安心・安全に帰宅できる賃貸事務所を選ぶことが大切です。
治安の問題がクリアできたら、周辺の商店や飲食店をチェックしましょう。多くのお店で賑わうエリアの賃貸事務所を選べば、人の目に留まりやすく、集客を期待することができます。
また、事務所の近くにコンビニや飲食店があると、従業員が飲み物などを買いに行きたいときやランチのときなどに便利です。

 

【競合他社・関連企業】
賃貸事務所物件の候補が見つかったら、近隣に競合他社がいないかどうかを確認するのをお忘れなく。ごく狭いエリアに同業者がいると顧客の奪い合いになり、場合によっては生き残れずにつぶれてしまう恐れもあります。
ただし、特定業種の企業が集中しているエリアでは、その業種の関連ビジネスが活発化しているので事業が軌道に乗りやすい場合もあります。また、関連企業が多いエリアでは、「上質な労働力」「企業間のつながり」「蓄積された技術」などが得やすいという強みがあります。同業者が味方になるか敵になるかは、賃貸事務所の選び方にかかっていると言っても過言ではありません。なお、賃貸事務所物件を扱う不動産会社の担当者は、担当エリアで活発な業種や有力な企業についての情報に精通しています。賃貸事務所を探すときは相談してみるとよいでしょう。

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